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犬の血尿の原因・病気・色の違い・治療費・家でできる対処法など疑問をすべて解決
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犬の健康管理をするうえで大事なことは、オシッコやウンチの状態を日々チェックすることです。
オシッコが出にくかったり、下痢や便秘などの症状があらわれたときは当然心配になるものですが、特に犬が血尿をしたときはビックリしますよね。
「病気になったかもしれない・・・」「病院に連れていったほうがいいの?」と焦ってしまう飼い主さんも多いと思いますが、犬が血尿をしたときこそ、冷静な判断と対処が必要です。
そこで、犬の血尿の原因や考えられる病気はなにか? また、血尿の色の様子や病院に連れていくタイミング、治療費など、飼い主さんの疑問を解決していきたいと思います。
犬の血尿の原因はなに?
まず、犬の血尿の原因ですが、何の理由もなく血尿がでることはありません。
なにかしらの原因があって血尿がでるわけですが、もっとも考えられる犬の血尿の原因は以下のようなことが挙げられます。
犬の血尿の原因
- 感染症
- 中毒症
- ストレス
- 病気
感染症
感染症とは、ウイルスや細菌が体内に入り込んで病気になることを言いますが、犬が感染症にかかることで血尿につながることがあります。
特に、尿道や膀胱などの泌尿器が細菌に感染して起こる「尿路感染症」になった場合、高い確率で血尿がでます。
尿路感染症の代表的な病気は「膀胱炎」や「急性腎炎」などがありますが、犬がおしっこをするときに痛がったり、何度もおしっこをする体勢をとる場合は、感染症の疑いがありますので、早急に病院に連れていったほうがいいでしょう。
中毒症
中毒症とは、犬にとって毒になるものが体内に入ることによって体の組織や機能が障害を起こすことをいいます。
この、毒になるものが一体何なのかということですが、中毒症を引き起こす原因は「食品」「植物」「薬品」などいろいろとあります。
中毒症を起こす食品
- 玉ねぎ(ネギ類)
- チョコレート(カカオ)
- ぶどう
- コーヒー・紅茶(カフェイン)
- アルコール
- ナッツ類
- キシリトール
- ジャガイモ
- トマト
- モロヘイヤ
- リンゴ・梨・さくらんぼ
中毒症を起こす植物
- スイセン
- スズラン
- チューリップ
- ヒアシンス
- イヌサフラン
中毒症を起こす薬品
- 殺虫剤
- 風邪薬・鎮痛剤
- たばこ
食品に関しては、絶対に食べさせてはいけないものと、体重当たりの摂取量が決められているものがありますが、基本的に上記の食品を与えることはおすすめしません。
また、植物や薬品などは、散歩中や部屋で遊んでいる途中に誤飲してしまう危険性がありますので、飼い主さんが厳重に観察しておくことが大切です。
中毒症の症状は、血尿をはじめ、貧血、けいれん、発熱、興奮、皮膚の炎症、咳、虚脱、腹痛、食欲不振、ふらつきなどが起こることがあるので、これらの症状が見られたら、すぐに病院に連れていきましょう。
ストレス
ストレスを感じることで、血尿がでることがありますが、ストレスと血尿の関係は医学的には証明されていません。
しかし、ストレスによって体の抵抗力が落ちると、感染症などにかかりやすくなったり、もともと持っていた疾患が悪化する可能性があります。
基本的に、ストレスが原因で血尿がでるのは一時的なことが多いですが、尿管・膀胱・尿道・腎臓のどこかで出血が起こっていることは確かなので、犬が血尿をしたときには、病院で診てもらうのがよいでしょう。
病気
上記で解説した、感染症や中毒症も病気の一種ですが、そのほかにも「尿路結石」「腎臓病」「がん」などで血尿がでることがあります。
血尿につながる病気については、記事の後半で詳しく書いていますが、主に内臓、泌尿器に疾患があることで血尿がでます。
血尿の回数や色、量などに違和感を感じたときは、すぐに病院を受診してください。
犬が元気なのに血尿をするのはなんで?
犬が血尿をする原因を紹介しましたが、ワンちゃんの中には「元気なのに血尿をする」という子もいます。
犬の様子がグッタリとしていて食欲もないようなら、体調不良だとすぐにわかりますが、犬が元気だと病院に連れて行ったほうがいいのか迷ってしまう飼い主さんも多いですよね。
そこで、犬が元気なのに血尿をする原因を解説したいと思いますが、結論からいうと「尿路結石」「膀胱腫瘍(がん)」になっている可能性が考えらえれます。
そもそも、血尿がでるということは、泌尿器から出血が起こっているわけで、犬が元気なのは、ただ単に症状が悪化していないだけです。
オシッコの体制をとっているのに、なかなかオシッコがでないなどの行動が見られたら、病気にかかっている可能性があるので、必ず病院には連れていきましょう。
犬が元気だからと様子を見ていては、症状が悪化する危険性もありますよ。
犬の血尿はオスとメスで違いはある?
犬の血尿は、オス・メス関係なく見られる症状です。
共通する原因もあれば、性別が影響する原因(去勢や避妊など)もありますので、それぞれの症状を覚えておきましょう。
オスの血尿の場合
オスはメスに比べて尿道が長いということと、オスにだけ存在する生殖器「前立腺」があることから、血尿をしやすいといわれています。
尿道が長い分、結石ができる確率も上がりますし、去勢手術をおこなっていないワンちゃんなら「前立腺炎」が起こる可能性もあるため、感染症には注意が必要です。
メスの血尿の場合
メス犬はヒート(生理)があることから、血尿と見間違えることも多いと思いますが、メスにも血尿は起こります。
特に、メスに多い血尿の原因は陰部や子宮からの出血で、外部から細菌が侵入することで、感染症につながってしまいます。
子宮の感染症が悪化すると「子宮蓄膿症」という膿がたまる病気に発展し、最悪子宮が破裂するなどの怖い症状が起こることもありますので、ヒートとは違う症状があらわれたらすぐに病院に連れていきましょう。
血尿の色がおかしい・・・鮮血や茶色、塊は大丈夫?
一般的に血尿と聞くと、鮮血(真っ赤な色)をイメージする人も多いと思いますが、実は犬が鮮血の血尿をすることはあまりありません。
犬の血尿で多い色は「ピンク色」「茶色」「赤ワイン色」がほとんどです。
この血尿の色によって、ある程度症状の度合いを把握することができ、病気の予測ができます。
血尿の色と病気の種類
- ピンク色:尿路結石、膀胱炎、前立腺炎など
- 茶色:腎臓病、肝炎など
- 赤ワイン色:中毒症、フィラリア、溶血性貧血など
ただ、これはあくまでも目安で、ピンク色なのに腎臓病だったり、茶色なのに尿路結石だったりと、犬によってさまざまです。
きちんと病気を発見するためには、病院で診てもらうことが先決ですが、先生に血尿の状況を説明するときの大事な指標になりますので、犬が血尿をしたらどんな色だったかをしっかり見ておきましょう。
犬が血尿をしたときに考えられる病気は?
犬が血尿をするときは、主に病気の疑いが強いということがわかったと思います。
では、具体的にどのような病気にかかると血尿がでやすいのか、病気の種類や症状を解説したいと思います。
膀胱炎
膀胱炎は泌尿器系を代表する病気のひとつで、細菌感染などが原因で発症します。
尿道が短いメスのほうがかかりやすいとされており、膀胱が炎症を起こすことで血尿につながります。
一般的な膀胱炎の症状は、オシッコがでにくいといった軽度なものが多く、自然に治癒することもありますが、血尿がでるほどの症状の場合、自然治癒することは期待できず、放っておくと膀胱結石や尿路結石に発展するケースもあります。
また、膀胱炎は慢性化してしまう危険性もありますので、血尿がでたときは、すぐに病院を受診するようにしましょう。
尿路結石
尿路結石は、犬がもっともかかりやすい病気とされています。
尿道や尿管に結石ができることをいいますが、腎臓や膀胱にできることもあり、結石によって傷がつくことで出血が起こり、血尿につながります。
原因は、マグネシウムやリンの過剰摂取(ストルバイト結石)やカルシウムの摂りすぎ(シュウ酸カルシウム結石)によって起こるので、治療にはミネラルを制限した療法食を食べさせることがあります。
結石が大きくなると、手術で取り除くなど大きな問題に発展してしまうこともあるため、日頃から愛犬の食事管理はきちんとおこなっておくことが大切です。
前立腺肥大症
前立腺とは、オスの生殖器のひとつですが、前立腺が肥大してしまう病気です。
主に、去勢手術をおこなっていない犬に多く見られ、遺伝や生活習慣が影響しているといわれています。
はっきりとした原因はまだ明らかになっていませんが、前立腺が肥大することで、周りの臓器を圧迫し、機能障害が起きることで血尿につながります。
予防や対処法は、去勢手術をおこなうことですが 1 番ですが、年齢を重ねることで手術によるリスクが高まってしまうので、早い段階から去勢手術をおこなっておくのがよいでしょう。
フィラリア
犬の血尿としてよく挙げられる病気が「フィラリア」です。
フィラリアとは、「犬フィラリア(犬糸状虫)」という寄生虫をもっている蚊に刺されることで感染し、心臓や肺動脈をフィラリアが埋め尽くしてしまう病気です。
フィラリアが寄生すると、血液の流れが悪くなり、さまざまな臓器に障害が起きて、死に至ってしまうほど重大な病気に発展します。
血尿の原因も、この臓器の障害が影響していますが、そのほかにも咳、呼吸困難、嘔吐などの症状がでることがあるため、このような様子が犬に見られたら早急に病院を受診してください。
膀胱腫瘍
膀胱腫瘍は、その名のとおり膀胱に腫瘍ができる病気ですが、いわゆる「がん」です。
主な原因は、慢性的な膀胱炎や前立腺炎をくり返すことで、腫瘍ができてしまうケースが多いようです。
この腫瘍の影響で血尿がでるわけですが、初期は比較的痛みが少ないため、気づかないことがあり、知らない間に進行してしまうことがあります。
血尿が一向におさまる気配がないなら、病院で精密検査を受けたほうがよいでしょう。
犬が血尿をしたらすぐに病院へ!治療費はどれぐらい?
犬が血尿をしたときに「病院に連れていったほうがいいのか?」「様子を見てもいいの?」と迷う飼い主さんがいるようですが、何度も書いているように、血尿をしたらすぐに病院に連れていきましょう。
ただ、病院に連れていくうえで飼い主さんが気になることといえば、治療費がどれぐらいかかるのか? ということですよね。
症状の度合いや動物病院、また手術や入院が必要なのか? などによって治療費に違いがあるため、正確な金額はわかりません。
ただ、一般的な診察や検査にかかる治療費がおよそいくらぐらいなのかは見当がつくため、参考程度に紹介しておきます。
診察 | 診察料:800~1,000 円 |
---|---|
血液検査 | 6,000~10,000 円 / 1 回 |
レントゲン | 3,000~4,000 円 / 1 回 |
エコー検査 | 4,000~6,000 円 / 1 回 |
薬代(内服薬) | 500 円 / 1 日 |
また、手術や入院が必要な場合は、手術代が約 6,0000~10,0000 円、入院費が 1 日約 5,000~8,000 円程度かかります。
あくまでも目安なので、治療費が前後することはありますが、正確な金額を知りたい場合はかかりつけの病院に問い合わせてみるのがよいでしょう。
犬が血尿をしたときに家でできる対処法は?
犬が血尿をしても、すぐに病院に連れていけないこともありますよね。
そんなときに家でできる対処法を紹介したいと思いますが、まず、血尿がついたペットシーツは捨てるのではなく、病院にもっていくためにきちん取っておきましょう。
できるようなら、直接尿を採取してもっていくのがいいですね。
また、陰部を清潔にしておくことも大切です。
菌が付着したままだと、膀胱炎や結石などが悪化してしまう危険性もあるので、蒸らしたタオルなどで拭いてあげてください。
ただ、犬が血尿をしたとき、家でできる対処法は正直ありません。
清潔にしておくことと、病院に行く準備をするということぐらいです。
飼い主さんが可能なかぎり早めに病院へ連れて行き、適切な処置をしてもらいましょう。
まとめ
犬が血尿をしたときの原因や病気の可能性、オスとメスの違いなどを解説してきましたが、とにかく獣医師さんの診察を受けることが大切です。
自分の判断だけで様子を見ていては、取り返しのつかない病気に発展する可能性もあるので、迷っている暇はありませんよ。
犬が血尿をするということは、なにかしらの体調不良のサインなので、日頃からオシッコの様子はよく観察しておきましょう。
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